翻訳を繰り返せ!片付けポンコツを脱却させるADHDの人への伝え方

ADHDの部屋片付け


ADHDの人は、極めて部屋片付けが苦手です。
苦手というよりも「絶対的にできない」と理解すべきだと思います。
厳しい表現になりますが、足が不自由で車椅子の人に対し、階段を登って2階に行くことを要求するぐらいのものです。

もし家族や友人にADHDの人がいて、その人の部屋片付けをサポートすることになったとしたら・・・。
私は「医療×福祉×片付け」の片付けドクターですが、日頃より意識している内容を簡単に説明したいと思います。

【専門家の対処法】発達障害や病気で汚部屋が全く片付けられない人への伝え方

片付けに関してはポンコツであるという自覚がある

ADHDの人は片付けができない自覚が強い

まずADHDの部屋片付けと向き合うにあたり、まず必要な心構えがあります。
それは「ADHDの人は絶対的に部屋片付けができない」ということを、本人が誰よりも強く自覚しているということです。

ADHDの人は何度も部屋片付けに失敗していて、その事実に強い挫折感とコンプレックスを抱いています。
言い方が非常に悪いですが、「部屋片付けに関しては明らかにポンコツである」という自覚があるということです。

絶対的にできなことを共に進めて行くのですから、サポートする側としてもイライラを感じることはあるでしょうし、ADHDの部屋片付けにウンザリすることもある思います。

それでもサポートすると決めたのであれば、結果を急がず一緒に遠回りするぐらいの気持ちで、大きな心で向き合ってあげて欲しいと思います。

気遣いや優しさは逆効果。数字を使って単刀直入に伝える。

ADHDの人に「曖昧な表現」は伝わりません。
つまり「数字を使って」「端的に」「箇条書き」「禁止ではなく肯定的に」で伝えてあげると、理解しやすくスムーズに片付けが進むでしょう。
私たちは日本語で会話しますが、日本語は曖昧な表現になることが多く、ふとした時に伝わっていないことがよくあります。

日本語を英語に翻訳するぐらいの気持ちで、1つのことを明確に伝える工夫をしてみて下さい。
これが結構疲れるのですが、伝わらなければ意味がないので、根気強く向き合って欲しいポイントになります。

<例>
「あれをあそこに置いといて」ではなく、「その青いファイルを、窓際の棚の2段目に入れて」と具体名を出す。

「日常使う物は捨てないで」ではなく、「日常使う物を先に確保しよう」と、禁止ではなく肯定的に表現する。


また相手に気遣いして遠まわしの表現をするよりも、言い方を選ばず単刀直入に伝えた方が、ADHDの人にとっては理解できます。
優しさをかけるのであれば、気遣いの表現よりも、伝わる(理解できる)言葉を優先すべきです。

ADHDにマルチタスクは無理。2つ以上の内容を求めない。


部屋片付けはマルチタスクで考えることの連続ですが、ADHDの人はマルチタスクで考えることが非常に苦手です。
特に「収納」を考えることが苦手であり、収納は「優先順位」「適正量」「使い勝手」を同時に考える必要があるからです。

ADHDの人は「整理(必要か不要を判断すること)」だけに集中してもらい、収納はサポートする人が行うべきです。
その収納で心がけるのは、見た目の綺麗さではなく、目視で所有物の所在が確認しやすいこと。
ジャンル分けはザックリで良いので、おおよその「見える化」ができると暮らしやすくなります。

ADHDの人は「探し物が見つからない」という特性を持っていることが多いので、おおよそどこを探せば見つけられるかという目星があるだけでも大変助かるのです。

整理に集中させるにしても、「〇〇の次は△△をやって」と言ってしまうと、ADHDの人にとってはもうマルチタスクになります。
そのような作業手順はサポートする側だけが理解していれば良く、ADHDの人にとっては「今やること以外は余計な情報」になり、脳内がゴチャゴチャになりやすいので注意しましょう。